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その八

・へそくりの語源

 奥様が旦那様に内緒で家計を倹約して貯めたお金のことを「へそく
り」と言いますね。実は、この「へそくり」と「麻糸」は浅からぬ関
係があったのです。今回は、そんな「へぇ〜」話をご紹介しましょう。

 「へそくり」は漢字では「臍繰り」と書きますが、これは「臍繰り
金」を略した名称です。原義は「綜麻(へそ)」を繰って貯めたお金
の意の「綜麻繰り金」です。ところで、この「綜麻」とは何なのでし
ょう。これが今回のお話のミソで、それは「おだまき」とも呼ばれる
つむいだ麻をつないで巻いた糸巻きの一種ことなのです。ほら、なん
となくへそくりと麻糸のつながりが感じられてきたでしょう。

 世界で一番の歴史を持つ麻糸のことです。日本でも太古から馴染み
の深い繊維でした。その麻を細く裂いて、紡いで巻いて鳥の巣のよう
な形にしていました。これが「綜麻」。そして、そのように糸を巻く
ことを「繰る」と言いました。

 麻は目方で量られ、糸の長さが決められていましたが、麻糸を細く
紡げば紡ぐほど、長い麻糸がとれました。だから、繰る人の腕が熟練
すればするほど、長い糸を紡ぐことができたのです。この余分に紡げ
た麻糸が、余分の収入となりました。

 この「綜麻を繰った」余分の「綜麻繰り」分が、繰る人(技能者)
のふところに余分の収入として入りました。この「綜麻」がいつしか
「臍」と混同されて、今日の「臍繰り」つまり「へそくり」となった
と伝えられているそうです。「綜麻」が「臍」に変わったのは、お金
を腹巻に隠していたので、とか諸説入り混じっているようですが。

 いずれにしても「へそくり」するためには、熟練した腕前が必要で
あったりして、人に勝る切磋琢磨が必要なのですね。そんな努力の結
果、余裕の収入が得られるわけです。何かと「濡れ手に粟」を狙う人
が多い昨今、地道な努力から生まれる「へそくり」の存在意義って、
とても大切にしたいと思いませんか。

 こつこつと、せっせと、麻糸を繰りながら、ひとつひとつ成果を積
み上げていく。私たちも、「へそくり」の底に流れる真面目な思いを
大切に活動していきたいものです。



さて、いかがでしたか。次回もどうぞ、お楽しみに。
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